何度か足を運んだ
現場に感情移入する。
今頃、大きな重機が
美しい屋根裏の
景色を
壊しているだろうか。
茅葺屋根の内側。
茅の隙間から
日の光がチラチラと
点になって覗いて。
柱から
ぶら下がっている
真っ黒い藁細工は、
馬のスッペ(クツ)。
こんな場所に
テレビアンテナ。
これでちゃんと、
受信できていたそう。
デジタル放送以前。
前日は
開けられなかった
長持ちの中には、
江戸期の染付皿。
車庫脇まで
美しくて、
好きだったな。
たくさんの生き物が、
自然のまま集う様子も。
藁とすすの中に
埋もれていた、
座機の道具。
引越しが終わって
がらんとした室内。
依頼主さまに
承諾いただいた後に
知人に紹介して、
彼らがたくましく
抜き取っていった
土壁。
ここに
ガラス窓をはめ込んで、
こうして
暮らしてみたいほど、
綺麗だ。
集めた土は
海辺の古民家の改修に
使うらしい。
新天地でどうぞ、
元気に暮らして下さい。
大地に育まれ、
家は、ともすれば
二百年以上の時間を
刻んだのかもしれません。
玄関先でミョウガを
洗う姿を、
眺めたりしながら。
真っ直ぐでないこと、
自然のままの姿こそ
美しい。
あるべきように。
このままで景色。
屋根裏から
日の元へ。
*以下、入荷商品写真は
一部売約済みがあります。
また、複数の現場から出た
品物となります。
時代を超えて再び、
天目指して登る。
弥次さん
喜多さん。
いくつも
あったけれど、
ことごとく
ヒビ入り。
でも、捨てがたし
染付蕎麦猪口。
プラでもない、
とても軽くて。
何だろう…
ベークライトとか?
(世界初のプラスチック)
家族みんなで
ご飯を食べたという
ちゃぶ台。
美しい足は
折りたたみ式です。
こちらはお客様用かな。
次はどんなお宅へ?
お餅を伸ばした
大きなジュウメン板。
無骨なタンス。
左下の引き出し、
鍵が壊れたんだなぁ。
吊るせる
額縁づくり。
元は屏風仕立て
だったのでしょうか。
裏面の和紙も
美しい。
たい焼き作ろ。
三角の物入れ。
扉は倹飩式(ケンドン式)。
ガラス瓶と蓋は
別々に出てきたもの。
口の径が
ちょうどぴったり。
モノたちはお客様の
元へ旅立ち、
それぞれに
整えられます。
美しいズボンの
裾補修!
江戸期かな。
作りは
船箪笥のよう。
小さめ
火打石セット。
竹細工の
アクセサリー。
燻る。
すべて取って
おきたくなります。
メモ書きの
端切れまで。
いつか行きたい、
八十八ヶ所巡り。
お客様の素敵な
古布バッグに、
タイ製?と言う
アクセサリーが馴染んで
魅力的でした。
日本もアジアです。
親和性は自然なこと。
それでも、
永遠に留まる性質や
景色はない。
水は流れ、
道筋を変え、
時には枯れても
残るけれど。
似ていても違う。
見送る景色ばかり。
動き続ける中に
生きている私も、
生物無生物隔てなく、
変わり続ける世界。
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