感慨深くなる隙が
あまりないまま、
引っ越し作業が
始まりました。
詰み込め、積み込め!
このお部屋、
モノが無いと
こんなに広かったんだね…
すごい姿勢で
寝付いていて、びっくり。
おつきあいありがとう、
穹(そら)さん。
八幡から運んだものが、
長森のお家を埋めていく。
台所はダイニングキッチン。
田舎の台所って、
妙に広いことが多いです。
*この場所は
通常、貸し出し不可。
首にタオルを巻いて、
休憩も取らずに
1人で荷下ろしし続けていた
夫に感謝…
さかのぼって、
最終営業日に
入荷したものから。
羽裏まで美しい
長羽織。
着用可能な
コンディションの
浴衣たち。
いろんな方が少しずつ
訪ねてきて下さって、
お茶を飲んだり、
砂時計の粒を
眺めるような時間。
巡ってきた恵みたちは
シェアします。
大黒様も、一緒に新居へ。
ゴッホのひまわり。
作業中に気分が
あがるから、
店内に分散して
飾らせていただきました。
一番最後のお客様は、
この八幡のお家に、
きっと最も縁の深い方。
(子供の頃に、この和室で
眠ったことがあるんだから!)
そして、新たな方へと
この場所を引き継ぎます。
家は、人を呼ぶのかも…と
今回の移動に際しては、
ふと思いました。
喫茶で
慰労会をしてみたら、
卒業式のあとみたいな、
万感の念にかられる。
一瞬だけ。
3年間終えたから、
次へ。次へ。
押し出されるように。
最初の自宅店鋪が
7年だったから、
それは小学校みたいなもの。
次は…いっきに大学まで
いっちゃえ、と言われたから、
高校3年+大学4年。
また7年くらい、
居られたら良いな。
カフェにビーツが…
んん、ピンク色のヨーグルトが
脳裏を染める。
(早く南インド料理、食べたい)
最寄りのスーパーは、
懐かしくて良い雰囲気でした。
私は初めてだったけれど、
昔のお肉屋さんなんかに
見られたという、
セルフサービスで重さを量り、
価格を自分で袋に書いて
レジに持っていく方法の
揚げ物売り場。
《ここを3人で出るんだね》
と、夫が言う。
最初、意味が
分からなかったけれど、
確かに、ここにお店を
移したときの私は、1人だった。
この場所が与えてくれたことの
ひとつは、家族でした。
新しい場所で、
出来ることは何だろう。
待っていることを、
受け止めにいく準備期間に
入っています。