何ヶ月も前の話。
我が家で引き取った着物が
作り手さんに買われてゆき、
素敵な洋服にリメイクされた。
売って下さった方の
お母様が着られていた、
緑色の正絹地。
いったん手元を離れた布と
再会したのは、
友達に誘われて
初めて出かけた即売会。
もちろん、
新しい姿に生まれ変わった
形見を買い求めた。
四十九日を迎える
前日のこと。
小さな物語の円に連なる
作り手さんと買い手さんが、
一昨日、今日と
それぞれに来店されて、
不思議なことが
あったのよ、と語る。
私たちの背中に、
いつも流れ続けている
ささやかな魔法。
姿を無くしてからも、
日々物語られたりする。
美味しい差し入れ。
パンダ焼き!
自家焙煎されたばかり、
オーガニックコーヒーの
お豆さん。
香りが格別で、
ずっと嗅いでいたい…。
昭和の木綿風呂敷が
はぎ合わされて
スカートになり、
無地の藍木綿地の上着も
心地よさそう。
いいなー
この家の主だった方は
学校の先生でもあったから、
可愛いガリ版が
残されていました。
見つけた時から、
この子を看板にと
考えていたので…
できた!
残ったものは、続いてゆけるよ。
全部じゃなくても。
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後で思い出して
じんわり胸が満ちるような、
一番地味かもしれない
今日の平凡な物語が、
奇跡みたいに伝説めいた
エピソードよりも、
よほど身近にあってほしい。